2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧

万年筆を1本しか持たないことの不都合について

万年筆の特徴として数か月に1度洗わなければならないということがある。人によっても違うのだろうが、だいたい水洗いをしたあと一昼夜真水に漬けておき、そのあと乾かすのに丸1日程度要する。つまりだいたい2~3日は万年筆を使えないことになる。 万年筆…

たぶん永遠にたどり着けない営業所(下関紀行: 6)

それで10分後ぐらいに掛けなおすことにして公衆電話の受話器を置いた瞬間に、ふと新たな疑問が浮かんだ。「新下関営業所ってどこにあるんだ?」 こういうときスマホを出してブラウザを立ち上げ、「サンデン交通 新下関営業所」と検索すればすぐに場所が出て…

インバータ制御式性格診断

流行っているのかもう流行りは終わりつつあるのかわからないが、インターネットでプロフィール関係を見ると必ず書かれているあの性格診断のアルファベット4文字が思い出せない。思い出そうとするといつもIGBT、絶縁ゲートバイポーラトランジスタが頭をよぎる…

目的に還元されるアンパンマン

別に生きる意味なんてなくていい、それの何が悪いのか、と思うのだけど、なぜこんなにも「生きることに何の意味があるのか」と悩む人が生じているかを考えると、一人のある国民的ヒーローの存在が思い浮かぶ。そう、アンパンマンである。 なんのために 生ま…

きょう、PCが死んだ。

きょう、PCが死んだ。もしかすると、昨日かもしれないが、私にはわからない。「PCノガメンガチラツク。アスカイニイク」これでは何もわからない。恐らく昨日だったのだろう。 とにかく、家に帰ってきたらPCの画面が激しく上下に揺れている。再起動も、ドライ…

「生まれてこないほうがよかった」わけではない

それで小島和男『反出生主義入門』(青土社, 2024)を読んだのだが、別に生まれてきたことに絶望している訳でもないし、早く死にたい訳でもない。しかしながら本というものはたとえそれがどんなにニッチな分野の本でさえ、その本を出版することによって利益…

忘却の残滓

年を取ったからか、忘却が定常状態であり、記憶というもののほうが例外なのではないかと思い始めている。記憶に残っているほうが異常なのだと。眠っているあいだに見た夢は時間とともに少しずつ忘れていくが、いつまで経っても覚えている部分もあるように。…

旅先でスマホを落とした人間は無力である(下関紀行: 5)

唐戸市場で朝食を食べようと思って下関の駅からバスに乗り、唐戸のバス停で降りたとき、ポケットにスマホが入っていないことに気がついた。カバンの中を漁っても見当たらない。唐戸は下関最大の観光地の一つなので降りる人も多く、バスはまだ停まっている。…

くじらのお化け(下関紀行: 4)

ときわミュージアムというバス停で15時58分発のバスを待ちながら、「うべバスナビ」というバスロケーションシステムを眺めていたら「1時間以内に接近するバスはありません」と表示されて一瞬ドキリとしたが、それでも待っていたら時刻通りにバスはやってきた…

アンチ人生:生きることを強いられる人生ほど辛いものはない

趣味が同じことが交際することにどう繋がるのか理解できないし、それがそのまま結婚する理由になる、ということは本気で信じていない。もっと生物として根本的なところ、そういうところで「マッチング」しないといけないのでは、と思ったりするのだけど、そ…

宇部を歩けば像にあたる(下関紀行: 3)

宇部空港のすぐ近くに宇部線の草江という駅があるのを知っていたので、歩いてみたら思ったよりすぐそこでびっくりした。空港の敷地を出たらもうそこに駅があった。「列車が飛行機と接続していないので空港アクセスとして使う人は少ない」という記述を見たこ…

飛行機の通過待ち(下関紀行: 2)

10時15分発宇部行きの搭乗口は505とある。ターミナルからバスで運ばれる搭乗口で、いままで羽田から飛行機に乗る時は福岡だの那覇だの札幌だの主要空港に行くときで、地方の空港へ行くのは確かに初めてである。バスの出るラウンジに出てみると、富山だの鳥取…

小野田線に乗って海響館に行きたい(下関紀行: 1)

どう平静を装っていても、寝る直前に昔コピーした資料やパンフレットの整理をしていても、外泊を伴う旅行の前はうまく眠れない。抗うつ剤という睡眠導入剤を服用していても、である。変な夢を見続けて朝になり、ふだんより寝付けていないくせにいつもの平日…