人は何故バーベキューをやりたがるのか

なんで人間はみんなあんなにバーベキューをやりたがるのだろう。それがずっと理解できない。駐車場探しに右往左往し、場所探しに右往左往する。実際食ってる時間より準備と片付けのほうが時間は長いし、出てくる肉はどうせスーパーの肉だ。それを家の台所より劣悪な環境で調理して、劣悪な環境で食べる。空から降り注ぐみんなが大嫌いな夏の殺人的な太陽、日陰を作れば湿気と鉄板の熱気、たまに訪れるゲリラ豪雨。そこで供される酒はどうせビールだのサワーだの、私の飲めない酒ばかり。何が楽しいのか。酒を飲んで川に入ると流される。ならまだ普通に焼肉屋に行ったほうが余計なことを考えずに食事と会話に集中できるのではないかと思うし、焼肉屋では溺れて死ぬ心配はない。

バーベキューは人生で4~5回やっているけど楽しいと思ったことは一度もない。断れるバーベキューは全部断っている。事実上断るという選択肢のない任意の参加なら何度かある。あとは強制である。新歓は新入生の時は断れるけど上級生になったら断れない。

花火大会もよくわからない。大学の新歓で一度朝から場所取りをさせられて(これも新入生の時は行かなかったが、上級生に拒否権はない)、そのまま下から花火を見上げたのだが、別にここからじゃなくてもいいな、としか思わなかった。その後、地獄のような混雑が最寄り駅とその先の電車まで続いていく。何が楽しいのか。

悪いものではないけど、別に他にする何かを犠牲にしてまで見るものでもないと思うし、インターネットの中継で私は十分だ。花火はきっと街の中の風景であるのが一番で、ふと音のする方を見たらマンションの間から見えたとか、新幹線に乗っていたら窓の向こうで見えたとか、そのぐらいでいい。

夏は好きだけど、夏のイベントは特に好きではない。プールとか海水浴もそうだし、キャンプもそうだ。アウトドアのアクティビティなんてもってのほかだ。イベントがあるから夏が好きなのではない。ただ夏が好きなだけだ。殺人的な太陽の下から冷房の効いた部屋に入る、あの一瞬が一番好きだ。