2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

愛校心

高校や大学の同窓会からの郵便物の送付先が実家になっている。だから送付先を変えてもらえと家族から言われているのだが、高校や大学の当局に今の住所を知られたくないのでそのままにしてある。 そういう郵便物を見る機会は年1回の帰省しかない。今年の高校…

手元においていかなくていいという位置づけでの実家の本棚

実家は倉庫ではないのであるが、どうしても実家は倉庫になってしまう。昔詩を読んでいた頃、比較的読まない本を実家の本棚に突っ込んでいたのだが、その後詩を読まなくなった後、家にある詩の本はだいたいぜんぶ捨ててしまったが、実家のほうは手つかずだっ…

感情がない人間なので説明的な文のほうが読みやすい

女優の鈴木絢音が「自分は感情がない人間なので説明的な文のほうが読みやすい」ということを動画で言っていて、なるほどなと思った。 なにかの入門書や解説書を買う時、会話文で進んでいくものや、物語形式で進んでいくものは真っ先に選択肢から外している。…

それが私の生活を終わらせてくれる訳ではない

旅行に出かけたり、長い休みに入ったりする直前になるといつも思うのだけど、旅行に出かけたり長期休暇に入ったりしたところで、それで今のこの生活が変わる訳ではない。旅行から帰ってきたら、休暇が明けたら、またいつもの生活が始まるのに、一体これらの…

まだ読んでいない『読んでいない本について堂々と語る方法』について堂々と語る方法

『読んでいない本について堂々と語る方法』*1がようやく電子書籍になったのは大変喜ばしいことである。しかし最近電子書籍になったからなのか、12月上旬の「ちくま文庫・ちくま学芸文庫30%引きクーポン」の対象からは外れていた。そこでこれまでのhontoポイ…

先生、図録は読書に入りますか

『名画を見る眼』『近代絵画史』『20世紀美術』『日本美術を見る眼』と高階秀爾氏の本を今年だけで6冊(前2冊は上下巻である)も読んだのだが、読んでみて思ったのは高階秀爾史観みたいなものが日本にはあるのかもしれないということである、というか、「山…

万年筆売り場は戦場である

万年筆の購入は戦いである。そのペンを持った瞬間、好きになれる見た目をしているか。書き味をしているか。購入したいものを目の前にした試筆の瞬間は一種の興奮状態にある。だから如何に、いつもと同じ心理状態で、落ち着いて筆を運べるか。試筆の紙も基本…

人が多すぎる

渋谷に行ったらホームの下の所に人が溜まっていて何が起こっているのだろうかと思ったら何も起こっていなかった。ただ単に何の理由もなく人が滞留していた。しかも人が埋まっていて動かないのは改札の中だけで、自動改札機を抜けたら今までの混雑は一体何だ…

草野心平「なにがクリスマスだ」

草野心平に「なにがクリスマスだ」という詩があるが、「初めて他人の血が混ざる」と、おそらく初めて輸血されることを半ばヤケになって嘆いた詩であって、別に一緒に過ごす相手のいない独り身を嘆いた詩ではない。嘆く次元が違うのである。 * クリスマス前…

サンライズ出雲が4時間遅れたけどちゃんと東京に着いた話

今日の「サンライズ瀬戸・出雲」は大雪で上下線とも運休らしい。17日は倒木の影響で東京行きが岡山で打ち切りになり、その影響で18日は東京発が運休、出雲市発は鹿と接触し40分遅延、19日東京発は信号確認で1時間遅れ、20日東京発は早川駅でレール破断のため…

窓口でしか買えない列車に乗るべきではない

まだ乗ったことのない観光列車の指定席を取った。e5489で事前予約をかけていたが原因不明のエラーで予約が成立しなかったので普通に取り直した。そういえば徳島に行った時も、なんでか知らんが藍よしのがわトロッコの指定を取った時もエラーで予約が成立しな…

GWは長い乗車券をつくる

来年のゴールデンウィークのホテルと飛行機を仕込んだ。飛行機は半年前だと遅すぎ、新幹線はまだ来年のダイヤが出ていない。悪く言えば中途半端な時期なのだけど、スターフライヤーとかスカイマークが1月末にGWの航空券を売り出すから、悪い時期ではない。ホ…

きっと浮世絵を見る時に右下の端と右の真ん中よりやや上あたりを見るようになるだろう

太田記念美術館に行ってきた。「深掘り! 浮世絵の見方」と題した展示は浮世絵師の紹介とか、時代とかそういうものを全部すっ飛ばしてただただ浮世絵の技法にフォーカスするというなかなか楽しい展覧会だった。同じ絵でも最初の方に刷られたものとあとのほう…

部活に入って人生をサボろう

いま考えるとどうして部活というものに従順だったのかよくわからない。本当に従順だったか周りから見ると怪しいかも知れない。「やらなければいけないこと」以外のことをやるのはあまり好きではなかったし、自主練などは嫌いだった。やらなくていいことはや…

ある程度の知識があるのが悪い

昼前に近所のカフェで昼食を食べながら本を読んで、スーパーで買い物をして帰ってきた。11月の頭の3連休から毎日、土日両方とも電車に乗ってどこかしらに出かけていたので、本当に久しぶりに家の近くだけで1日を過ごした。年に1度のちくま文庫の3割引だから…

日本全国万年筆音頭

万年筆業界には「忘年筆」「新年筆」という謎の概念があり、年末年始には万年筆を買う文化がある。12月は忘年筆で、1月は新年筆でペンが買える。『日本全国酒飲み音頭』みたいだ。 事実、3月は世界の万年筆展でペンが買える。4月は新生活でペンが買える。5月…

流れ星のノート

なぜ人は流れ星を見たがるのだろう。願いが叶うからだろうか。ただ単純にそれが綺麗だからだろうか。星にもなれない小さな物体が、自ら光を発することができる唯一の瞬間、その散り際に見せる光を美しいと感じるからだろうか。その直前に特攻隊のドキュメン…

物欲の切りかた

こないだ買った『西洋美術史』(美術出版社)を開いたら辛かったので、たぶん読むのではなく書くタームに入ったのだな、と思い、もうひとつのブログのほうに万年筆のことを書いた。インターネットに上げた写真は基本的に転載されるものだと思わなくてはなら…

一緒にカラオケに行って楽しいと思えたら友達

他人と行くカラオケほどつまらないものはない。仕事の付き合いで行くカラオケがその最上のものである。特に一番下の立場で行こうものなら気を遣うのは選曲ではなくて上司や先輩のグラスの中身であり、場に出ているおつまみの皿の上である。流れてくるのは大…

ジ・オリオン高校

『下剋上球児』の舞台は三重県らしいので、あの伝説の「ジ・オリオン高校」をもじった学校が出てきてもいいような感じがするのだが、出てきていないらしい。今からおよそ半世紀前の1963年綺羅星の如く出現し、創立4年目には早くも夏の県大会ベスト4、6年目の…

リア充は爆発すべきではない

私が学生だった頃は人目をはばからずカップルを見ていると「リア充爆発しろ」というのが一種の様式美となっていたのだが、今ではそもそも「リア充」という言葉すら見かけなくなってしまった。現在、当時の私のような学級カーストの最下層、いや学級カースト…

理由は覚えていないが、父親を許していない

父親を許していない。理由は忘れた。 決定的に酷いことを言われて、もう死ぬまで許さないと思ったことまでは覚えているのだけど、何を言われたのかは忘れた。確か夕食のときで、珍しく母親も怒っていたのも覚えているし、部屋にこもったあとで「何で椅子を投…

忘れてしまいたいと思えるぐらいには良い日だったのかも知れない

今日という日を忘れてしまいたい、と思えるぐらいには、良い日だったのかも知れない。流れていく日々は、覚えておこうとも忘れたいとも思わない。せいぜい胸糞の悪い後味が残るだけなのだけれども、今日のことは、全部忘れてしまおうと思った。手帳に今日の…

人に影響を与えること恐怖症

人に影響を与えたい、という欲望がよくわからない。「みんなに笑顔を届けたい」とか、「子どもたちに夢を与えたい」といったようなもの。自分に想像力がないからかもしれないけれど。みんなって誰だ。子どもたちって誰だ。でもみんな結構そういう人になりた…

薬を飲み忘れたことを自覚した回数を覚えている

薬を飲み始めてから半年、初めて昨晩薬を飲み忘れたことを自覚した。それまでは昨晩飲み忘れたことさえ覚えていなかったのだが、たしかに今日に関しては昨晩明らかに薬を飲んでいない。 そのせいか朝の電車の中が眠くなかった。当初食後服用だったのだが、食…

電子書籍をシステム手帳に書き写す

電子で買った本も基本的にはマーカーを引いておいて、あとでA5のシステム手帳にその部分を書き写している。そのためにA5サイズのシステム手帳を買った。自分の興味のある分野はバイブルサイズという一段階小さいサイズのシステム手帳に情報を集めていたのだ…

冬は滅ぼさなければならない

どれぐらい冬が嫌いなのかというと、冬になると人生をやめたくなる。冬を滅ぼすか人生をやめるかの選択になったときに、そのどちらの選択肢も取れない自分が嫌になる。冬に嫌悪しているのか自分に嫌悪しているのかわからないまま、11月から3月という長い冬を…

うつわは社会のかたちをしている

今年はもう多分ないと思うので書くけど、3回もやきものの展覧会に行った。戸栗美術館、静嘉堂@丸の内、出光美術館である。外泊を伴う旅行は2回しか行っていないのに(夜行バスは外泊に含まない)、である。 やきものの展覧会のいいところはだいたい空いて…

その写真をどうするんですか?

という訳で皇居三の丸尚蔵館の「皇室のみやび―受け継ぐ美―」をまた見に行った。第一期から第四期まであるうちの、第一期のなかの展示替え後の後期であるから、もはやなんだかよくわからないが、相変わらず伊藤若冲の《動植綵絵》にはスマホを向ける人だかり…

デスクに電子レンジラックを設置した

ワンルームマンションというのはどうしても延床面積に限界があり、そうなると収納は必然的に高さを使わなければならない。延床面積の少なさを高さでカバーする、まさに東京と同じである。リトルトーキョーと化した私の部屋で目をつけられたのはデスクの上部…