サンライズ出雲が4時間遅れたけどちゃんと東京に着いた話

今日の「サンライズ瀬戸・出雲」は大雪で上下線とも運休らしい。17日は倒木の影響で東京行きが岡山で打ち切りになり、その影響で18日は東京発が運休、出雲市発は鹿と接触し40分遅延、19日東京発は信号確認で1時間遅れ、20日東京発は早川駅でレール破断のため名古屋で打ち切り、それで22日発は上下とも大雪で運休で、今週まともに動いていないし、しかも原因が全部違う。そう考えると本当に「サンライズ出雲」が4時間も遅れた時はよく東京まで走りきったな、と思う。

サンライズ出雲」に出雲市から乗り、翌朝6時に目を覚ますと東田子の浦で停まっていて、沼津で強風のため運転を見合わせているという。列車が遅れているので熱海で新幹線への振替に対応するというが、「サンライズ瀬戸・出雲」は三島に停まらないため乗り換えは熱海であり、降りられるのも新横浜と東京だという。しかし沼津で運転を見合わせているので、一体何時に熱海に着くのかわからない。

7時を過ぎると雨雲レーダーで言うところの赤い表示ぐらいの雨が降ってきた。窓ガラスを水族館の入口にありがちな滝のオブジェのように水が流れている。台風である。それも7時30分になる頃にはだいぶ落ち着いてきて、車内の放送が聞き取れるぐらいの雨になる。しかし停まっている原因は雨ではなく風なのである。

非常食として持ってきていたソイジョイ2本と、ラウンジの自販機で買ったコーヒーで朝食にする。この列車に乗るに限らず旅行の時は常に非常食を携行してきたが、本当に必要になったのは後にも先にもこの1回しかない。

雨が幾分落ち着いた7時52分、次の原まで動かすという放送があり、今朝目を覚ましてから初めて列車が動いたが、100メートルぐらい動いてすぐに停まった。急に信号が赤に変わったとのことで、その地点にしばらく停まっていたあと「東田子の浦に引き返します」というアナウンスがあって、8時15分、無事に東田子の浦に戻ってきた。踏切の異常が原因らしく、8時34分にまた動き始めるが踏切故障の影響で踏切があるたびに安全の確認で停まるという。10分かけて隣の原に着く。

5分後に沼津に向けて列車が走り出す。昨晩19時前に出て翌朝9時前になってもまだ終着駅の130キロ手前を走っているのが、昔の九州行きブルートレインってこんな感じだったのかな、と思わせる。沼津で何分停まるのだろう。少し停まるなら売店でなにか買って食べたいと思ったが、9時3分に沼津に着いてホームに降りたら駅員が「すぐに出発しますので」と言いうのでおとなしく引き下がった。同じようなことを考えているらしい人が1人、階下のサンライズツインから出てきた。結局9時8分に沼津を出るのだが、5分「も」停まっていたのだから、全然「すぐ」ではない。しかし東田子の浦に2時間30分も停まっていたと考えれば「すぐ」である。

沼津を出るともう普通の速度で列車が走っていた。所々に雲の薄い場所があって、晴れ間も見える。新幹線振替の指定列車は熱海9時29分発の「こだま632号」に限るとのこと。しかし既に3時間30分以上遅れていて今更遅れを取り返しても、と思う。ただし熱海から先は通勤電車の合間を縫って走る訳で、一体何時間かけて走るのかわからない。
丹那トンネルを抜けると夏だった。さっきまでの雨が嘘のよう、とまではいかないが太陽のあるところには雲がなく、初夏の太陽が照っている。9時25分になって、熱海のホームが埋まっているとかで駅の手前のトンネルで停まっている。2分ぐらい停まっているが、9時29分発の「こだま632号」に乗り継げるとは到底思えない。熱海でドアが開いた時、時計の針は既に9時30分を差していた。

結局東京に着いたのは3時間56分遅れの11時6分だった。出雲市を出てから実に16時間12分もかかっていた。この16時間12分を「シングルデラックス」で過ごしたのが唯一の幸いだった。