「サンライズ瀬戸・出雲運」みたいなものがある

物凄く悪い言い方をすると私にとって「サンライズ瀬戸・出雲」はただの「私を朝6時30分に岡山に運んでくれる列車」にすぎない。サンライズに乗るのが目的だったのは最初の1回だけだった、と言っても過言ではないかもしれない。だから最近は酒や肴を買って列車に持ち込むこともない。私は6時30分に岡山駅に降りていないといけないから下手したら23時30分頃に熱海を出たらもう電気を消しているから酒盛りをしている余裕もない。更に、翌朝6時10分すぎに流れるおはよう放送の頃には目を覚ましていて、その20分後にはもう列車を降りていなければならない。

乗るのが楽しみではない、といえば嘘になるし、列車に乗り込んであのチャイムを聴くと嬉しくなるけれど、乗ることを楽しんでいるかというと別にそうではない。逆に手段として必要だからこそ乗っているのであって、そうでなければ8年間で14回もサンライズに乗っていない。

必要とはいえやはりギャンブルの要素が大きい「サンライズ瀬戸・出雲」なのだけど、大きな被害にあったことはないので「サンライズ運」みたいなものだけはあるんじゃないかという気がしている。

思えば今年乗ったときも台風が来るのが1日遅かったら動いていなかった訳で、あの日も臨時の「サンライズ出雲」だったら運休だった*1

その当日も首都圏のJR線に大きなダイヤの乱れはなく普通に動き出した。昼間に静岡県内で倒木があって夜まで東海道線は遅れていたけれど、高松には何故か時刻通りに着いた。14回の乗車では様々な原因で遅れたけど、姫路で後続の新幹線に乗換えて*2岡山で予定に戻れる程度の遅れしか経験していない。

一度だけ大雨で4時間も遅れたことがあったのだけど、一畑電車に乗り終えて東京に帰る日だったので何時間遅れても全く問題がなく、しかも乗っていたのが「シングルデラックス」という一番高い個室だった。だから出雲・瀬戸に各6室しかない「シングルデラックス」で16時間も過ごすという逆に貴重な経験をした。

2018年の夏は岡山まで行くのに「サンライズ瀬戸」を予約していたのだが、旅行直前に西日本豪雨があり「サンライズ出雲」の走る伯備線が長期運休になってしまった。このような状態で果たしてサンライズはどうなるのか、出雲ともども瀬戸も運休になるのか瀬戸だけを走らせるのか、と思っていたら「瀬戸」の7両だけで運転を再開した*3。それで予定通り四国を旅行した(旅行の予定自体はだいぶ変更したが)。岡山までだから「出雲」でも良かったのだが、もし「出雲」のほうを取っていたらそもそも東京を発てなかった訳である。このシングルデラックスの件とサンライズ瀬戸だけが走った件が起こったのは同じ年の事で、多分これ以上のことはもう起こらないし、起こって欲しくもない。

*1:尤も臨時の「サンライズ出雲」はかなりの人気列車で普通の人間が普通に取ろうと思って取れる列車ではないので、今まで一度も乗ろうと思ったことすら無い

*2:サンライズ瀬戸・出雲」が大幅に遅れた場合、払い戻しをしないという条件付きながら追加料金なしで指定された新幹線や特急列車の自由席に便宜乗車することができることがある

*3:口の悪い人はこれを「半ライズ」と呼ぶ