少ない方ではなく古い方に乗るというマインド

東京に宇都宮に行くのに日光まで東武スペーシアに乗る選択肢を取る人間は多分そういないだろうと思う。ただ、日光と宇都宮を結ぶJRの日光線は仕事の帰りに乗ったことしかなく、しかも夕方だったので最後のあたりは陽が落ちていたからもう一度ちゃんと乗ろうと思ったのが日光経由で宇都宮まで行こうと思った理由である。

どうせなら去年デビューした「スペーシアX」でもいいのだけど、「スペーシアX」は多分向こう30年は乗るチャンスがあるのに対し、古いほうの「スペーシア」は1990年のデビューであり、あと何年乗れるかわからない。今はまだ新型のほうが数が少ないからみんな新型のほうを有難がるけど、そのうち新型のほうが数が多くなってくると古いほうが有難がられる。だから今のうちに古いほうに乗っておく。そういうマインドが必要であると思った。

何しろ「スペーシア」には一度しか乗ったことがない。しかも接続する列車が遅れたため、予約していた1本あとの列車に便宜乗車の形で乗せてもらった一度きりだから、ちゃんと切符を取って指定された席に堂々と乗るのは今回が初めてである。ただ、乗ったのは9年前に乗ったのと同じ日光詣の金色のスペーシアだった。

しかしJRと東武の直通が続く限り、JR直通用として何編成かが想像以上に生き残り続けるのかもしれないと、そんなことも思ったりする。

そうして東武日光に着いたらその「スペーシアX」がホームに停まっていた。念のため写真を撮っていたら、後ろにいた親子連れかなにかが「ほとぼりが冷めたら乗ろうね」と言っていた。ホームでは今日の「スペーシアX」は満席であるということが何度もアナウンスされていた。