コツは「青春18きっぷ」の時期を避けること

自分のことをアクティブだと思ったことはなかったのだけど、毎週のように美術館に行ったり、水族館に行ったり、文具屋行ったり本屋行ったりしているからたぶんそうなのかもしれない。静かなところと一人が好きだけど、自分の家はそれほど好きではない。

昔は月1回のペースで外泊してたからやっぱりそうなのかもしれない。列車に乗り続けるという旅は、静かなところと一人が好きだけど、自分の家は好きではない自分にはぴったりの趣味だったのかもしれない。客はいないから静かだし、旅程は夕暮れまで決まっているから何も考えなくていいし、何もしなくても車窓のほうが移り変わってくれる。そして陽が落ちる頃には、日常とはまったく離れた場所に立っている。

コツは「青春18きっぷ」の時期を避けること。18きっぷが使えない時期でも使える切符はたくさんあるし、ないなら普通の切符を発券してもらえばいい。日本国内の鉄道を乗り終えるのに使った「青春18きっぷ」は3枚しかないけれど、「週末パス」は5~6枚は使ったはずである。

今は何をしているか考えると文具屋にいるか喫茶店にいるか水族館か美術館にいるか本屋にいる。列車に乗っている代わりに喫茶店にいる。その中でノートを広げてペンを走らせているという行為を切り出せば、やっていることは同じである。

今はなんとなく、そんなに遠出しなくても満たされているような気がする。遠出するということを考えるのが面倒になったともいうし、旅行するのと同じぐらいの値段のものを買えばそれでいいような気がするし、遠出しなくても美術館に行って何かを見れば、ここではない別の世界を見ているような気になれる気がする。