一緒にカラオケに行って楽しいと思えたら友達

他人と行くカラオケほどつまらないものはない。仕事の付き合いで行くカラオケがその最上のものである。特に一番下の立場で行こうものなら気を遣うのは選曲ではなくて上司や先輩のグラスの中身であり、場に出ているおつまみの皿の上である。流れてくるのは大体知らない歌手の知らない曲ばかり、そういう中でマイクが回ってくるのはせいぜい1回多くて2回、そして、自分の得意な曲、歌いたい曲を歌っていい訳では決して無い。場のみんながみんな知っているような、それでいて場が盛り上がる曲を歌わなければならない。これほど面白くもないものはない。

学生時代はSUPER BELL''ZとSound Horizonしか知らなかったから、年代が近い人と言ったとて、周りの人が歌うのは知らない人の知らない曲ばかりだった。私が歌うのはSound Horizonの『朝と夜の物語』とか『黄昏の賢者』とかで、仕方なくそれらを歌ったときの場の空気がどうなったのかはご想像におまかせしたい。同年代のみんなが知っていそうなAKB48とか乃木坂46の曲を覚えるのは、学生でなくなってからである。

しかしだからこそカラオケに一緒に行って楽しいと思える人が友達なのかもしれない。カラオケは学生になってからは仕事の付き合いを除けば1人でしか行ってなくて、みんなが知っていそうなSKE48とか乃木坂とかそのあたりの曲ばかり歌っている。