隙間に落ちて宙ぶらりんになった言葉たち

鈴木大拙の『禅の思想』を読んでいたら知らない単語がたくさん出てきたので電子辞書で調べたら全く引っかからなかった。国語辞書を4つ、漢和辞典を1つ、百科事典を3つ、日本史事典を3つ、季語事典も2つ搭載しているのにヒットするのはひとつもありませんという。そこで仕方なくGoogleで検索したらその言葉を使用している用例はヒットすれどその用語そのものの解説は出てこない。たぶん仏教用語事典の類を引けばたぶん載っているのだろうが、使う側にとっては当たり前すぎて説明するまでもなく、かといって全くその世界を知らない人には知る必要もない言葉。その間で宙ぶらりんになっている言葉。

「リバースフォースダブルプレー」とか「インジェパーディ」って別に野球知ってる人なら別にわざわざ説明するまでもない言葉だけど*1野球知らない人にはそれがどういう概念なのかのイメージもつかないだろうと思う。しかし野球の用語の違うところはインターネットで調べるとちゃんと出てくるところである。

フォースプレーは打者が走者となった結果、塁上の走者が規則によって塁の占有権を失った結果起こるプレーのことなので、タッチプレーではないアウトのことを全て「フォースアウト」と言うのではない。ピッチャーへの送りバントをピッチャーが打者走者にタッグしてアウトにしたらタッグアウトではなくフォースアウトであるし、打者二塁でショートライナーに二塁走者が飛び出したため、遊撃手が二塁に送球して二塁走者をアウトにしたらタッグはしていないけどフォースアウトではない。これは案外野球をやっている人でも間違える。間違えるから「ルールブック盲点の1点」がたまに起こる。

*1:ただしこれらの単語を出す必要がある文脈に辿り着くことはたぶん殆どない。少なくとも私は一度もない。