私たちは製品である

朝のラッシュ時の自動改札ってなんか工業製品が検品されて出荷されていくみたいだなと思う*1。満員電車で運ばれてきた製品が開いたドアから一斉に改札に向かって転がって行って、改札口という検品を通過した製品が仕分けられてそれぞれの会社まで何かの力によって運ばれていく。それは人間の意思ではない。AIも決して万能ではないからときおり適切な人間を弾いてしまうのだけど、そこは手作業で確認をして、問題があればすこし手直しして、問題がなければそのまま通す。

そうやってたくさんの製品が出荷されて、決められた時間には「納品」されている。どうしてこの人たちは毎日ちゃんと決まった時間にここに来て、「仕事」をしているのだろうかと、会社勤めを始めて10年以上もたったある日ふと疑問になって少し怖くなったことがある。どうしてそれが「当たり前」なのか、一瞬わからなくなりかけたのだけど、直後私のもとには退勤後から出社までの間に送られていた何通かのメールが届いていて、それの返信と、そのメールで依頼された作業でそのことなんて次の瞬間にはもうすっかり忘れていた。

*1:昔そういう意の短歌を作ったけど、未だにそう思う