LINEやってない

LINEやってない。LINEというものが世に広まり出した頃、私は既に連絡を取り合う人というものが存在しなかった。家族とはメールのやりとりで十分だった。たまに合う友人はTwitterのDMで事足りた。

LINEというものが広がり出す少し前、AndroidからiPhoneへ機種変更するときに、アドレス帳移行ツールをインストールしてください、と言われたのだが、容量不足で何をどうやってもインストールできなかったので、Androidに蓄積されていた今までの連絡先は全て消滅してしまっていた。でもそれで困ったことはただの一度もなかった。Androidを使っていた最後のほうは、こちらから連絡を取りたい人なんていなかったし、自分に来るメールも、演奏会の宣伝だとか、なにかの協力の呼びかけばかりで、自分という個人に対して用事がある、というメールは存在しなかった。

この状態でメールアドレスを変えて、当時やっていたFacebookをやめたら、案外それで簡単にひとりぼっちになることができた。そんな頃にLINEが世に広がりだした。LINEやらないことに変なこだわりがあるわけではなく*1、単純に必要がないからやっていない。ただそれだけのことである。

LINEというものが存在しない学生時代を過ごせてよかった。入学前から同期LINEみたいなもので「つながり」が発生していて、なんかもっと面倒くさくて、学生時代のほんの何年かですら、社会人たちよりずっとうまく立ち回らないといけない時代を今の学生たちは過ごしているのだと思う。ただ、今だってたぶん高校とか大学の同級生のLINEグループとかはここ数年ぐらいで作られているはずで、私は入っていないのだから、結局そういうものが存在していた時に学生時代を送っていても、結局は同じことだったのかもしれない。

*1:要するに韓国の企業だからどうこうだとか、セキュリティがどうこうだからという理由でやっていない訳ではない