フリーきっぷは無敵アイテム

欲しい鉄道模型があるのだけど、秋葉原で中古屋を7店舗漁ったのに見つからない。オンラインの某中古屋でプレミア価格で1点ある他はどこにもない。秋葉原で7件回ってなかったら多分ないのだけど、千葉に目を向けると中古を取り扱う模型屋がいくつかあることが判明した。千葉なら1日あれば回れる。回ることができるのに、それをしないで諦めるということが、たとえそこに99%ないということがわかっていても、許せない性格をしている。

そこで、「休日おでかけパス」を買って千葉方面の鉄道模型屋を回ろうと思った。フリーきっぷの類を買うとなんだか無敵になれた気がする。今日1日、この範囲内ならどこへでも行けるし、これが重要なのだけど、どこで降りてもいい。今ならICカードに1万円ぐらい入れておいてオートチャージにしておけば、何も気にすることなく電車に乗り降りできるから、最近はそういう乗車券を手にしたときの高揚感というものは実はそれほどないのかもしれない。

でも初めて「週末パス」という首都圏から南東北まで2日間乗り放題、という切符を手にしたとき、そしてその時に使う特急「いなほ」の「新潟ー酒田」という指定席の券面を見た時、ものすごくワクワクしたのを今でも覚えている。新幹線の終点まで乗って、そこから更に2時間も特急に揺られても、まだフリーきっぷの範囲の中にいる。まだせいぜい仙台とか京都ぐらいまでしか行ったことのなかった自分にとって、「酒田」という街は、とても遠いところにある街の響きとして私のなかに残っている。

最終的に中古屋を10件回って、やはり欲しいものはなかった。これでようやく自分を納得させることができた。そして最後に寄った万年筆屋で、万年筆を1本買った。