訪れた未来が正しい

まだ泊まったことがないから、という理由で徳島に行くことにした。まだ滞在したり泊まったりしたことがない県が2つあって、そのうちのひとつが徳島、もうひとつが佐賀。だから来年は佐賀に行こうと思う。

佐賀は伊万里の町を歩いたり、有田の陶器市を歩いたりしたことがあるけれど、徳島の思い出は乗り換え待ちの時間に徳島駅の周りを歩いた程度で(しかも乗り換えの1時間しかなく、外気温が36℃ぐらいあったのでその殆どを駅の中で過ごした)、たぶん通算でも1日しか滞在したことがない。だから47都道府県で一番印象が薄い。

それでついでに阿佐海岸鉄道DMVに乗って、更にその先にある室戸岬にでも行こうかなと思ったけど、なんかものすごく早起きしないとDMV室戸岬が両立できないのでこれはあきらめた*1室戸岬は徳島ではなくて高知だから純粋に徳島で遊びなさいということなのかもしれない。

ホテルを取って、寝台特急と飛行機の予約をする*2。1ヶ月後の日付で。でもやっぱり1ヶ月後の未来なんてわからない。大雨が降って列車が運休になるかもしれないし(特にここ数年は本当にそうだ)、当日台風が来て列車が走らないかもしれない。自分や家族が何かの病気になるかもしれない。1ヶ月後に今と同じ状況でいられる確率なんて50%より小さいかもしれない。そんな日のことを考えることほど虚しいことはない。

そして当日もきっとこの通りに旅行できることなんてない。だからこれは実現しない未来。別にこれが実現しなくてもいい。しなかったらしなかったで、今までの休日の通り本を読んで、美術館に行って、文房具を見て、考え事をして、あるいはいつもより少し遠くに出かけるとか、そういう休日を過ごせばいい。そう思いながら残りの1ヶ月を過ごしていないと、実現しなかった時の失望に耐えられる自信がない。

それでもその未来が実現したときのために、徳島でやることを考えて、食べるものを考えないといけない。1ヶ月後の未来なんてわからない。正しい未来が来るのではない。訪れた未来が正しい。

*1:日本の鉄道に全部乗ろうと思っていた頃はもっと上手いことこれを両立できるパターンを探し出していたのだろうが、最近はそこまでの執念もない

*2:四国に行くときは往復どちらかで必ず「サンライズ瀬戸」に乗ることにしている