ずっと手帳やトラベラーズノートにこのブログにあげていたようなことを書いてきた。それで十分だと思っていた。でもやっぱりそれではこの病んだ精神は物足りなかったのだと思う。手帳に書いているだけでは言葉は自分のもので、それをブログに置いた瞬間、それは自分のものから公共のものへと変わる。その感覚を求めていたのだと思う。
毎日毎日しょうもないことが頭のなかに浮かんでは消えて、それだけで時間が過ぎてゆく。だからせいぜいそんな彼らをとっ捕まえて、「誰かが知りたい情報」も、「誰も知らないとっておきの情報」も、「ビジネスマンが身につけておくべき教養」もなんにもない単なる「私のお気持ち」という空虚を、「コンテンツ」だと偽ってネットの海に向かって放流する行為にしてしまったほうが、まだ「生産的な行為をしている」と言い換える余地があって、要するにそのほうがなんというか気分が楽だった。
それでブログを始めて１ヶ月ぐらいが経った。基本的には誰もやってこない。でもそれでいいと思っている。誰かに読まれたい訳ではない。何かのきっかけで検索かなんかでひっかかった人の目に触れてくれればいい。中身を読まれなくたっていい。誰ともわからない機械から「おすすめ」されてくる、他人の写真や言葉を眺めているよりも、自分の言葉を書いているほうがまだ精神衛生上はいい。
