ちゃんと恋愛したうえでの結婚したくないという結論について

会社の飲み会で結婚する予定があるかと訊かれたとき、「0から100で言えば0」と入社以来ずっと言い続けてきたけど、「そんなこと言っても、いい人がいたら結婚するんでしょ」と軽くあしらわれ続けてきた。それが最近ようやく「お前は趣味が多すぎて無理だと思う」と言われるようになって、わかってもらうのに10年の歳月を費やしてきたかと思うと感慨深いものがある。

なんだかんだ言って10年ぐらい前はまだ「一人でいたいので結婚したくない」という考え方は今ほど理解されない生き方だったし、異性に興味がない、というと「ひょっとして同性愛者ですか?」と訊かれることもあった。だから、それで言ったらたぶん無性愛者の部類に入るのだと思うけど、無性愛者は定義が曖昧すぎて自分でもそう言っていいのかわからない。

高校の保健の授業で、先生から「将来結婚したいか?」と質問された時、40人いるクラスの36人(実に9割である)が「したい」と答えた。残りの3人についても「経済的な理由」などの至極真っ当な理由で「したくない」と答え、単純に「一人でいるのが好きだから」という理由で結婚したくない、と言っているのは私一人だった。

異性と交際する、というのは不安定な状態で、結婚して家族になるか別れて何でもない人に戻るかの2択しかない。その頃からずっとそう思っていたのに、大学生になってから異性と付き合ったのは、このひとならきっと大丈夫、という気持ちがあったからだったと思う。「アシタカは好きだ、でも人間を許すことはできない。」そして、どちらにも転ばず、ずっとこのまま付き合い続けること、それがいちばんの幸せだと、心のどこかで思っていたのだと思う。表向きは私が悪いことにして別れたけど、たぶん、別れる1年ぐらい前から、他の人を好きになっていたのだと思う。

友達の二人でいた方が
長続きできるならそれでいい
欅坂46渋谷川』)

付き合わなかったほうがそれよりも幸せだったかどうかはわからない。ただ、ずっと前から仲が良かったから、遅かれ早かれどこかのタイミングで付き合い始めて、どこかのタイミングで別れていたのだと思う。結局、そういう結果になっていたとは思う。

人と交際を始める前からこんなことを考えていたから、付き合っているときから、恋愛をするのはこれが最初で、最後だろうとも思っていた。事実、今のところそうなっているし、この先もそうしていくつもり。でも、今でもその人を愛しているということではないです。検索がうまい人だったので、私のことも捕捉しているかもしれないけれど、二度と私の視界の前に現れないでね。