万年筆メーカー製でないインクは避けている

万年筆のインクに関しては、特にそのメーカーのものしか入れない、というこだわりはないけれど、最低限万年筆メーカーのものを入れるべきだとは思う。文具店やイベント限定のインクでも、万年筆メーカーが作っているものを選ぶ。そうでないインクしか作っていないメーカーのものは、必ずしも万年筆で使用するということを念頭に置いていない気がする。具体的に言うと固まるのが早い。書いている途中でペン先で固まって書けなくなる、というのを染料顔料問わず経験している。万年筆メーカーのものではそれは経験していない。

そこまでのこだわりはないからインクはパイロットの強色という顔料インク以外は全部セーラー万年筆が作っているものを入れている。万年筆はそのメーカーのインクを入れたときにその性能が一番発揮できるように作られているというけれど、個人的にはセーラーのインクが入っているペンが一番筆記感覚がしっくり来る。

さらにセーラーのものは紙を選ばない、というのも愛用している理由である。たとえばパイロットのインクはかなり紙を選ぶ。万年筆向き、を標榜するノーブルノートやプレミアムCDノートですら滲む。パイロットのインクに完全に耐えられるのはMDペーパーしかないのではと思っている。あるいは、他のインクでは滲みは少なくても裏写りしたりする。

セーラーのインクは染料でも比較的紙を選ばない。滲む紙も少ないし、裏写りもない。だからオリジナルのインクを見つけた時は製造元を確認してセーラーであるかどうかをまず確認する。

そして、ナガサワ文具センターの「塩屋ブルー」が私の一番好きな色味で、これに顔料の「ストーリア」とパイロットの「強色」、この3つがあればとりあえず当分生きていけると思っている。もうインクとしての理想の青色には辿り着いてしまった。だからイベントで阿呆のようにインクを買い込むこともない。インクのイベントで1日にインクを10個も買うような人の投稿を見て「一体何に使うのか」と思うのだが、自分だって半年で万年筆を10本も買うような人なので、そんな人には言われたくないだろう。