天下の奇病。使用薬品、なし。処置、魔術

ASMRの動画を見ていて気になるのはあの頭の形をした、というかあの外耳のついたマイクはASMRで使う以外に何の用途で使用するのかということで、ひょっとしたら医療の分野や福祉の分野で自分の創造のつかない使用方法があるのかもしれないけれど、現状ASMRの動画でしか見たことがない。この世には「インク瓶の中に入っているインクの量が少なくなった時に万年筆でインクを吸いやすくするためにインク瓶に入れる部品」というものが売られているので、そういうごく限られた用途にしか使用されないものがあるというのは割と理解できるが、もしASMRにしか使わないのであればそれはそれで虚無だなと思う。

ASMRの動画を見ていて気になるのはASMRという動画において「光る耳かき」の光る要素は一体視聴者側にとってどういう重要性を持つのかということである。竹だのステンレスだのの耳かきや綿棒など材質面の違いなら音の違いとなって現れるが、光る耳かきの光るという機能が役に立つのは耳かきをする側のほうであってされる側のほうではない。ASMRの動画においては画面のほうを見ていないことも多いから、こちらとしては光っていようが光っていまいが関係ないと思うのだが一体何故光ることを殊更に協調するのかわからない。ASMRはなかなかに虚無な分野なのかもしれない。それ故にASMR、殊更耳かきのASMRが好きなのかもしれない。