やまと絵展は「ちょっと寄ってみよう」のノリで行ってはいけない

平日休みを取ったのに銀座伊東屋と丸の内の丸善に寄るだけといういつもの休日と同じコースで過ごしていた。そのままおしまいにしてもよかったのだけど、国立東京博物館で面白そうな展示をやっているのを丸善で知って、ちょっと寄ってみようかと思ったがこれが大間違いだった。「やまと絵」というものに焦点をあてたこの東京国立博物館の特別展は、「ちょっと寄ってみよう」というノリで行くととても見切れない大ボリュームな展覧会だったのである。行った日は全部で4種類の展示のうちの第1期というべき回で、四大絵巻(『源氏物語絵巻』『信貴山縁起』『鳥獣戯画』『伴大納言絵詞』)は全部ある、『鳥獣戯画』はあの見慣れた甲巻、次から次へと出てくる国宝・重文の数々、14時30分に入ったらさすがに全部見切れるやろと思ったら全部見切ったのは閉館間際の16時50分。さすがにあの四大絵巻、特に鳥獣戯画は混雑。ただ、昔の鳥獣戯画展の時はアホみたいに並んだらしいので、中で少し並ぶぐらいならまだマシだったと言えるのかもしれぬ。

家に帰って『日本美術史』(美術出版社)を開くと今日見たやつがまあ載っているわ載っているわで、改めて恐ろしい展覧会であることを思い知った。これが展示替えを過ぎると四大絵巻が揃わなくなる代わりに神護寺三像(教科書で「源頼朝」とされているやつですな)が来たりする。たぶんこれは4パターンある展示全て行かなければならないのではというもの。東博は総合展もあまりゆっくり見たことないし、夜間展示のある日にまる一日滞在してみようかなあ。