日常を生きるように旅をする

旅行に行くために費やす時間は少ない方がいい。だから旅行の準備をせずに本を読んだり、何かを書いていたりする。今のところ決まっているのは、行きの新幹線と帰りの飛行機、あとは泊まるホテルと、それぞれの日で訪れたい場所。あとはどこで何を食べるとか、どういう順番で出るとか、ホテルを何時ぐらいに出るとか、またはこれに何を持っていくかとかそういう話なのだけれど、別に考えなくて良い気もしてきた。出発の前日になったら否が応でも荷造りはするだろうし、そんなに小さい町に行くわけでもないから、歩けばなにか店はあるだろうと思う。

その町に住んでいる人のようにその町で旅行したいと思ったことがある。すなわちその町のショッピングモールやデパートに入って、飯をマックとかサイゼとかで食べて、いつも持っている手帳を開いて書く。コーヒーもスタバだのドトールだのに行く。または地元のスーパーで惣菜を買ってホテルで食べる。いわゆる観光地には行かず、行くとしたらせいぜい図書館ぐらい。それが旅をするように日常を送る、の反対側にある行為である。

だから、近所に買い物に行くような感覚で旅行をしてみたいのだけど、そうなるとある程度どこに何があるかわかっているようなところでないといけないし、ある程度いろんなお店があるところでないといけなくて、そうなると名古屋とか神戸だったりするのかなあと思う。神戸ぐらいなら別に何も考えなくても日帰りできる距離だし、三宮あたりならだいたいどこに何があるかわかるし、何よりどうしても時間が余ったらナガサワ文具センターにいればいい。

尾道福屋が閉店するという。2年前のゴールデンウィークにトイレを借りたことがあるというささやかな思い出がある。