世界は何も変わっていなかった

軟禁されすぎると手で描いた絵をスキャンして取り込んでそれに色を塗るという行為を始めるということがわかった、ということがこの1週間の生態実験における成果だった。丸3日外出もせず寝込んでいたため読書の予定が大幅にずれ込んでいるにもかかわらず、であるが、電子書籍は逆にPCの前に座らないと読めないという欠点があり、対してベッドで寝っ転がったり、喫茶店でコーヒーを飲みながら読める。しかしそのためにAndroidWifiタブレット端末を買うのもなんか馬鹿らしいし、新しいPCをSurfaceにすると今のPCより300gぐらい重くなる。そんなこと言ってもPCを外に持ち出すことって基本的にないんだけどね。

じゃあ紙の本のほうが進捗はいいかというと別にそうでもない。美術出版ライブラリー歴史編の『西洋美術史』というバカでかい本が積まれているためで、これがいつまで経っても読み終わらない。たぶん通読することを前提に書かれていないのではと思うが、『世界の美術 コンパクト版』(河出書房新社)とか『世界アート鑑賞図鑑 改訂版』(東京書籍)とかよりはよほど通読を前提に書いている気がする。まだ流し読みしかしていないが、『世界の美術』はそれぞれの作家に、『世界アート鑑賞図鑑』はそれぞれの様式を軸に記述を進めているような印象を受けたのだが、なぜか両方揃って立ち読み用の見本を置いている本屋があまりなく、どちらかしか置かれていない。こいつらはあんなにデカくて分厚いのに5000円前後で、あんなに小さい(分厚くないとは言ってない)『日本魚類館』(小学館)が7500円もすることを考えると実は思ったより高くないのかもしれないが、結局どっちを買えばいいねんという話になって、きっと両方買わせる気なのだろう。同じ人が日本語版を監修しているし。

1週間振りに外に出た。世界は何も変わっていなかった。