「弾ける」の範疇に入らない

西洋美術史』(美術出版社)を読み終えた。A5版のやつではなくて、2021年に出版されたB4版で450ページぐらいあるまあまあデカいほうのやつである。読み通すのに2ヶ月ぐらいかかった。同じシリーズの『日本美術史』も持っていて、ちゃんと読み終えているので、とりあえず日本と西洋の美術史では現在一番あたらしいものを読み終えたことになる。別にまともな美術の通史なんて読んだことも習ったこともないのでなんでもいい。ただ本当にその分野を勉強したいならこの一冊があれば他のものは買わなくてもいい、というものは別になくて、誰に教わったか忘れたのだが「類書は5冊読め」という教えは新しいものを入れるときに守るようにしている。ただ日本美術史の本は2冊しか持っていないし、西洋美術史の本も3冊しか持っておらぬ。だから美術の読書も別にそこまで本気ではないのかも知れない。「現代アート入門」を銘打つ本は5冊ぐらい持っているのだけど。

高校の音楽の授業には演奏の他に作曲があったのだけど、義務教育の美術の授業は実技以外のことはしなかった。音楽理論を1時間ほど教えてあとは16小節の曲を1曲作ってください、というのは高校生だった当時からまあまあ無謀だなと思っていたけど、よくよく考えると水彩や油絵の具だって大した使い方とか理論も教わらずにとりあえず絵を描かされるのだから同じようなものだ。

でも無伴奏の混声4部合唱なら和声(あの赤い本)とか楽典とかを少しかじればなんとなくそれっぽいのが作れるようになる。私が作れたのだから大丈夫だ。私が無伴奏の曲しか作らなかったのはピアノが弾けないからで、小学生ぐらいの頃にやってみたのだけど「これはできない」と思ってやめたから全くやらないでできないと言い切っている訳では無い。楽譜を見て片手で音を出せるというのは「弾ける」の範疇に入らない。