私がいいなと思ったものは全部撮影禁止だった

テート美術館展に行く元気はあった。大好きなハンマースホイが2枚も来ている。国内の美術館で所蔵するハンマースホイは2枚しかないから、それと同じだけのハンマースホイが来ている。それだけでも十分行く理由になるのだが、思ったよりも現代アートしていて面白そうだったのもある。

実際、ターナーやらモネやらコンスタブルやらを大量に見せられたあと、突然ライリー*1やロスコ*2やニューマン*3、リヒターを見せられるのは、急に脳の全然違うところを使わなくてはいけなくてクレイジーだったし、タレルの《レイマー、ブルー》はただ青くてたぶん開館から閉館まであの前にいられる自信がある。そういう私がいいなと思ったものは全部撮影禁止だった*4ので、もう文字でしか書きようがない。とにかくライリーはライリーで、ロスコはロスコで、ニューマンはニューマンだった。

8月の半ばまでアーティゾン美術館で抽象絵画を250枚弱も集めた*5「ABSTRACTION」というこちらもクレイジーな展示をしているのだけれど、ライリーやニューマンやリヒターあたりが実はいない(ロスコはいる)。だからABSTRACTIONに行った人はテート展も行ったほうがいい。世界の抽象絵画のほぼ全てを網羅していると思われるあの展示のほんの少しの隙間をうまく補間してくれる。

*1:視界がうねるような絵を描く

*2:デカい縦長のキャンバスに2つの横長の物体だけを描く

*3:デカいキャンバスに縦棒が入っただけの絵を描く

*4:リヒターは撮影可能だったが、ポーラ美術館にある奴のほうが好きだ

*5:通常の展覧会の展示点数はだいたい100点前後である