ボディーブローのように効いてくる

「あとからボディーブローのように効いてくる」という比喩があるけれど、ボディーブローを実際に受けたことがないので実はボディーブローがあとから効いてくるものだということがよくわかっていない。そもそもボディーブローが何なのかよくわかっていない。なんかの格闘技だろうことぐらいは想像がつくけど、何を使ってどこを狙う攻撃なのかわかっていない。「ボディー」って身体全部じゃん。だから「何が」「どう」「効く」のか実際のところよくわかっていない。

じゃあボディーブローのように効いてくる、という表現を使う人が本当にボディーブローを受けたことがあって、それが後から徐々に効いてくるものだと認識しているかというと実はそうでもないんじゃないかと思う。どこかで「ボディーブローのように効いてくる」という表現を見て、それで覚えて使っているだけなのではないか。だって日常生活でボディーブローを受ける状況ってそうそうないと思うし。皆さんはボディーブローを受けたことがありますか?

でも「あとからボディーブローのように効いてくる」と言われればまあそれでこちらは一応理解できるし、いちいち「ボディーブローって何?」って聞き返したりしない。あああとから効いてくるものなんだな、としか思わない。だから一応通じる。図鑑に描かれた恐竜のイラストを見て「リアルだね」って言う人に対して、いちいち「本物見たことあるの?」と聞き返したりしないのと同じである。ただ「リアルだね」と言った人がリアルだと思っているのはどこかで見た恐竜の模型を差している可能性があり、そういう話をすると言語哲学の話になりそうなのでこのあたりでやめておく。

話が脱線した間に別の可能性を思いついて、ひょっとして、私が単に格闘技を見なさすぎるだけで、国民の皆さんは何らかの形で数年に1回は格闘技を見て、ボディーブローというものを見て知っているのかもしれない。格闘技とかよくテレビでやってますもんね。