卒業アルバムいらない派

大学に入って一番驚いたことは大学にも「卒業アルバム」という概念が存在することだった。「卒業アルバム用の写真撮影をしないと卒業アルバムに載りません」という掲示を大学各所で見たことがきっかけだったと思う。そのあと卒業アルバムは希望者だけが購入できるということを知ったので、卒業の時は勿論買わなかったし、面白そうだったので写真も撮らなかった。だから私の写真は大学の卒業アルバムに載っていないはずだが、その卒業アルバム自体を買っていないので本当に載っていないかはわからない。誰かの写真が私と偽って掲載されているかもしれない。

そもそも高校までの卒業アルバムも要ると思ったことがなかった。あんな大版で大層な装幀で、いかにもこれが大事な思い出です、と言わんばかりのアルバムはただ重くて場所を取るだけで、何回捨ててやろうかと思ったことかわからない。あれこそ電子書籍でいいし、もしくは図書館に各年度ごとのものが1冊置かれていればそれでいい。実家に帰るたびに「要らんもんは捨てなさい」と言われるのでアルバムではなくて卒業文集みたいなほうを捨ててやろうと思ったのだが、いざ捨てようとすると「本当に捨てるの?」と訊いてくる。いや要らんものを捨てろと言ったのはそっちだろうが。

たぶんクラス、という単位だけ切り取ると中学も高校も大した思い出はない。中学に関しては嫌な思い出しか無いし、高校に関しては逆にカースト上位みたいな人の集まりだったのでクラスというものに馴染めていない。中学の部活はひたすら苦しかった。高校の部活はやっている時は楽しかったかな。でも、自分以外のみんなは自分以外同士ではもっと仲が良かった、ということには卒業してから気づいた。

大学と高校の卒業旅行は断った。中学の卒業旅行はそういう話題になった覚えがないので多分誘われていない(やっていなかったかもしれない)。学生時代の頃から、学校なんてそれぐらいのものでしかなかった。卒業アルバムはそんな苦しかった思い出を思い出すためのものでしかない。だから早く捨てたい。年末帰った時捨てていいですか。