何を言っているのかわからないと思うが*1、一日中架空の鉄道の設定のことばかり考えて過ごす日がある。昔は鉄道模型のレイアウトを作るという大義名分があったが、今はない。作ってもなんにもならない。ただの暇つぶし。目的はない。
昔レイアウトを作るとき、最初は非電化の路線でやろうと思っていた。電車はいま基本的に2両で走っているのがほとんどで1両というものは数えるほどしか無い*2が、ディーゼルカーなら基本的に1両で走らせられる。私は架空鉄道の会社を考える時、その会社が持っている全ての車両を模型で持ちたがるという困った性癖をしていて、調べるとどんなに小さい会社でも2~3本の車両を持っている。電車なら2両で1編成だから6両分の値段がかかるのに対し、ディーゼルカーなら3両で済むので3両の値段で済む。更にレイアウトに架線柱を立てなくていいのでそのぶん安く済む。そういう経済上の理由で非電化の私鉄にしようとした。
だがよくよく調べていくと現在残っている非電化の私鉄はだいたい昔国鉄だった路線から切り離された第三セクター路線で、そういう国鉄路線を転換したものや、国鉄が開業させる予定だった路線以外の非電化の私鉄を探すと物理的な理由で電化できない関東鉄道のほか、津軽鉄道、ひたちなか海浜鉄道*3、水島臨海鉄道*4、島原鉄道ぐらいなもので、実はあまりない。
戦前非電化だった私鉄も、戦後直後は燃料事情が悪化し*5電化をしたほうが得策と判断され電車化に至り、電化のためのコストを回収できないぐらい輸送量が小さいような鉄道はモータリゼーションの進行で80年代ぐらいまでにはどこも消滅していたのである。
それで非電化の私鉄はなんとなく現実味が薄いかなと思ってしまって最初から電化私鉄という設定として始めたおかげで多大なコストがかかったのだけど、架空の鉄道なんだからもう少し現実離れした設定があってもよかったのではと考えている。こういうことを考えていたおかげで、作り始めから完成まで2ヶ月ぐらいだったのに、設定を考える段階で半年ぐらいかかった。本を何冊も買い込み図書館にも行った。おかげで鉄道の歴史に少しだけ詳しくなった。