優先席はこわいところだ

特に朝は頭痛や不安がひどいのでなるべく座りたい。優先席は朝のラッシュ時でも空いていることが多い。最近は体調がよろしく無いので空いていたら有り難く座るようにしているのだが、以前は、というより、今も、優先席はこわいところであるという意識が強い。

譲るべき人が来たら譲ればいいじゃない、と思う人だっているのだろうけど、譲るべき人が近くに来るかどうか気にしながら乗るのは落ち着かない。そして前に立った人が譲るべき人なのかどうか判断しかねるとき、「どうしよう……」と思いながら席に座り続けているのは気持ち悪いのだが、コミュ障なので目の前に立った人に話しかけられない。そこで思い切って話しかけてみても「すぐ降りるので」と言って断られると「あっそうですか……」などと思って譲るのを躊躇してしまったりする。譲ろうと声をかけると怒鳴る人もいるし、逆に譲られるべきではない外見をした人が座っていると襲いかかってくる人もいる。話しかけないで譲らなくても罪悪感で落ち込むし、話しかけても断られたりすれば落ち込む。どう転んでも落ち込む未来しか無い。我々コミュ障に取って優先席というのはリスクの塊でしかなく、それを避けるために最初から優先席には近づかない。だからドアが開いても肩でタックルしないと入れないぐらい混んでいる電車のなかで、優先席には誰も座らないという歪な状況が起こる。そういう状況なので、内心怯えながら優先席に座っている。