《ひまわり》ならいつだってみられるよ

SOMPO美術館に行ってきた。なぜ「混雑している」と主催者が言っている展覧会の会期末の土日にわざわざ言ったかというと有効期限切れ間近の招待券を頂いたからであって、そうでもなければそもそも行くべき展覧会のリストに入ってもいなかったかもしれない。しかしそういう人が入ってくるからただでさえ混雑している展覧会が更に混むのであって、こうやってその訪問記の一つや二つ書き残しておくことでしかその罪を贖うことはできない。
ゴッホ静物画」これが正式名称なのだが、こういう有名画家の名前をつけた展覧会はおおよそその画家の作品はわずか数点だけで、「そうじゃないほう」の作品で溢れていることが多いのだが、そこはさすがに《ひまわり》を持っているSOMPO美術館、いろんなところからゴッホを集めていて思ったよりもゴッホ展というべき展覧会となっている。
展覧会の構成としては静物画が成立した17世紀から「ゴッホ以後」の20世紀初頭までの静物画をひたすら集めたもので、その静物画の歴史のなかでゴッホはどこにいたか、というもの。だからゴッホの初期にはオランダの静物画みたいな絵もあったりして、「これがゴッホの訳ねえだろ」と思って近づいたらゴッホだった、というものもある。
特筆すべきことがあるとすると《ひまわり》にカバーがかけられていなかったことで、私もケースに入っていない《ひまわり》は初めて見た。《ひまわり》の周りに物凄い人だかりがずっとできている。しかし《ひまわり》はここにいつもいる。スイス・プチ・パレ展というゴッホと全く関係ない展示でも《ひまわり》はいたので(ただしカバーはかけられていた)、見るべきものは多分ゴッホではなくてその横の《アイリス》である。