千手観音菩薩はオーケストラの指揮者をできるのか

自分でもなんでかわからないけど三十三間堂に行った。長さ120mのお堂の中に千手観音菩薩が1001体、風神・雷神、二十八部衆の1031体の像がいらっしゃるので、ここの中にいる国宝の像だけでマーラーの「交響曲第8番」が演奏できる。指揮者はやっぱり中央の千手観音坐像だろうか。千手観音像には腕が42本あるから、指揮棒を振りながらいろんなパートに別の指示を出すことができる。それがオーケストラの側にとっていいことなのかよくないのかは腕が42本ある人の指揮で楽器を演奏したことがないのでわからない。
この千体千手菩薩像は一体一体全てに名前がついており、名前と顔写真が並んだ卒業アルバムのような冊子が2000円で売られている他、堂内には仏像の検索システムまで設置されている。オリジナルのクリアファイルは千体千手観音菩薩像をステージ上手側から移した写真の上部に千手観音坐像が浮かびあがっているデザインでなかなか神々しくて格好いい。買わなかったけど。

たぶん本当は三十三間堂の眼の前にある京都国立博物館のほうに行きたかったのだと思う。どうせなら雪舟展に合わせて行ってもよかった気もするが、東博と違って特別展をやっているときは通常展示だけを見るということができず、特別展を観に行ったあと通常展示も見に行かなければならないので、村上隆も合わせて観に行くとなると時間が足りなくなる恐れがある。だから平常展示だけでいいのである。平常展示は平成知新館という建物の中にすべて納まっている。ちょうど東博の本館だけですべての総合文化展を見るようなものなのだが、ほぼ江戸時代だけまでの展示で終わっているのは展示のめぐり合わせだからだろうか。東博との一番の違いは全品撮影禁止であることで、方方に迷惑をかけたせいで買った鉛筆が役に立った。

ミュージアムショップでは本阿弥光悦展と同じグッズが売られていた(鶴下絵三十六歌仙和歌巻のクリアファイルとか)。それにしてもなんで鳥獣戯画のグッズがやたらとあるんだろうと思ったけど、そういえば所蔵しているのは京都の高山寺だった。