Gänzlich ersterbend.

時間がゆっくりと流れていく。ただ長いだけの一週間。人間はたぶん満員電車に乗るのが下手になったと思う。ドアまで目一杯に埋まった人間に向かって肩からタックルして更に真ん中まで押し込む覚悟と勇気のない奴は発車メロディーが鳴り終わった電車に乗ってはいけない。大人しく次の電車を待つべきであり、後ろに並んだ奴に黙って後ろから押し込まれればよい。新社会人の皆さんに教えたいことといえばそれぐらいであり、もう入らないと思っても重心を低くして肩から入るように押し込めば入る。肩で押し込んだのにこれは乗れないからあきらめよう、という感覚を早く身につけることが、周りの客に迷惑をかけず、かつ自分が乗りたい電車に乗るコツである。朝はみんな後ろに始業時間や打ち合わせの時間を抱えているので、案外無理に押し込んでも何も起こらない。

あとは15~20分に1本程度の郊外の電車ならだいたい毎朝乗っている顔ぶれは同じであるから、どの顔がどの駅で降りるかを早く覚えること、顔が覚えられなければカバンを覚えること(仕事に使うカバンはだいたい同じである)。10分以下の間隔だといつも同じ顔ぶれだとは限らないので、自分の最寄り駅だけでなく途中駅の階段の位置を把握すること(どの駅でどの車両の客が降りるか把握する)。混んでいる車両は混んでいるときと空いているときの差が激しいこと、相対的に空いている車両は混雑度がずっと変わらないことなどを把握すること。あとはすぐ降りそうな人の仕草や前に座っている人が立ち上がった時に横に立っている人に席を奪われないテクニックなどを覚えるとなおよいが、これは教えると私が座れなくなるので教えない。